【かったの想うこと】
「学生サークルの意義」


学生サークルがもたらす「学生の成長」についての考察。主に「児文研」を見て。

1.学生の武器、サークルの武器
学生の武器は「時間」「体力」。この2つが、「とりあえずやってみる」ということを可能にする。
そして、サークルの武器は「数」「熱意」。この2つが、「みんなで一生懸命」ということを可能にする。
こういった「とりあえず・みんなで一生懸命・〜してみる」が、結果として莫大なエネルギーを生む。

2.方向性
運動サークルでも、研究サークルでも、実際何でも良いと思われるが、「社会に挑戦する」という方向性を持ったサークルは、サークル内の学生の成長率が非常に高い印象がある。
「社会に挑戦する」とは、簡単に言えば
・まちづくりなどの地域貢献に関わる活動
・政治、経済、あるいは社会問題などに携わる活動 など。

また「自分たちがやりたいと思うことに挑戦する」(=初期衝動)という要素も重要になる。「高い理念」「具体的な活動」の両方が掲げられるとなお良い。(高い理念とは、現実的な目標よりも1段階上の、理想のようなもの

3.引き継ぎ
学生サークルは、初期衝動、新鮮さが原動力になりがちで、基本的には長続きしない。そこで、「継続させる努力」が必要となる。
「自分たちがやりたいと思うことに挑戦する」(=初期衝動)が活動原動力のほぼ全てであるなら、スタートメンバーが卒業した時点で、サークルの理念はかなり揺らぐ。そのときに、「なくならないように継続させる」ことで、サークルの理念を明文化させたり、組織形態を確立させたり、後学のための継承がなされたりする。
「引き継ぎ」という行為は、引き継ぐ者にも引き継がれる者にも大きな意味がある

4.活動の限界
学生サークルの活動には限界がある。
・経済的な限界(特にボランティアサークルなど)、
・社会的な立場としての限界(「学生」の社会的な信用など)
・知識や経験の限界(学生本人が「プロではない」ということ)
・継続(=引き継ぎ)の限界など

よって、学生サークルで「高い理念」を保持し続けることや、理念に沿った成果を上げ続けることは、性質上不可能に近い。

もちろん、社会人の協力を募ったり、プロに学んだりすることによってその都度限界(=障害)を打ち破ることは可能である。しかし活動主体が「代替わりする学生」である限り、必ず「学生サークル特有の限界」は存在する

5.OB・OG
学生サークルの特色として、OB・OGの存在があげられる。OB・OGは基本的に、その学生サークルを「最も理解している社会人」である。そういった視点から、OB・OGは「学生と社会とを繋げる存在」と考えられる。
学生がOB・OGとどのような関係にあるか、OB・OGがどのような姿勢で学生と交流を結ぶかによってサークルのあり方は大きく左右すると言ってもよい。
また、自らがいずれOB・OGになったときに、過去の活動を客観的に見直すことができる。これは、「成長の実感」するために最も必要な要素である

6.学生の成長
「やっていて良かった・ムダではなかった」と思えることが、個人の学生サークル内での成長と言える。これまでの要素を「学生の成長」と絡めて考えると、以下のようになる。

・「とりあえず・みんなで一生懸命・〜してみる」
⇒ 挑戦する意欲を生み出す
  集団で活動する楽しみ、強みを体感する

・「社会に挑戦する」
⇒ 社会を知る
  社会における自分の役割や力を推し量る

・「自分たちがやりたいと思うことに挑戦する」
⇒ 自分のやりたいことを知る
  自分のやりたいことを具現化する方法を考える

・「『高い理念』『具体的な活動』の両方を掲げる」
⇒ 上2つをより意識を高め、具体的に考えるために必要

・「継続させる努力」
⇒ 意識を共有、継承することの困難さ、大切さを知る
  組織を継続させる方法を考える

・「活動の限界」
⇒ 限界を打ち破る方法を考える
  なぜ限界があったかを考えることで、学生と社会人の差などを知る

・「OB・OGとの関わり」
⇒ 社会人との関わりを経験する
  社会人との協力を経験する

・「OB・OGになる」
⇒ 活動の軌跡を客観視することで、成長を実感する

以上のような成長を見込むことができる。

7.まとめ
学生サークルの第一義は「学生の成長の場」である。学生サークルが経済を成長させたり、社会を良くしたりするには限界があり、第一義ではない。
そして、個人の人生は学生サークルによって完成・完結するものではない。学生サークルでの経験は、後に「やっていて良かった・ムダではなかった」と感じることができることを目指している。それはつまり、サークル活動があらゆる面でその人のその後の成長に寄与し得るということである。
しかし、学生自身はそれに気づく必要はなく、とりあえず・みんなで一生懸命・やってみれば良い。逸脱しそうになったら、OB・OGやその他の協力者が腰を上げるだろう。

またこれは、「学生の自己満足」というネガティブな表現とイコールではない。本当に「満足」するのは、学生サークルを卒業した後だからである。さらに、1〜6の要素を満たした活動であれば、少なからず社会的に評価される ものになっているだろう。

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ってなことを、最近思います。
ちなみに僕は去年の秋で学生サークルの現役を引退した、卒業前の4年生。この中途半端な立場からも、学ぶことは多くありました。

(2005.11.19 かった)

 




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